バレエ音楽研究ノート

音楽家の立場からバレエ音楽を考察してまいります。【稲垣宏樹】指揮者・作曲家/日本指揮者協会会員/2015年度愛知県芸術文化選奨文化賞受賞【個人】/第58・62回文化庁芸術祭優秀賞受賞【団体】/第25・27回名古屋市民芸術祭芸術祭賞受賞【団体】

楽譜への疑問⑥ープロコフィエフ:バレエ《ロメオとジュリエット》ーNo.12, 23 「仮面の主題」のアーティキュレーション?

Act 2

■No.22 Folk Dance:

【改訂】練習番号169番8小節目:Hr. 3,4=原曲 5th, 6th のパートは Trb. Tba. と共に5声の和音を形成するために欠かせないものです。原曲 Hr. 1st, 2nd のパートで同じ音が付点2分音符で書かれておりますので、この改訂を行ったこととの違いはさして変わらないのかも知れませんが、敢えて改訂いたします。この改訂は No.30 Public Merrymaking 練習番号234番8小節目も同様です。

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Act 2 pp.34

 

参考資料:第1組曲の同曲にあってのオーケストレーションは全く異なっています。

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R&J Suite No.1 pp.49

 

■No.23 Romeo and Mercutio

アーティキュレーション?】練習番号171番3小節目~練習番号173番1小節前:Fl.1-2, Ob.1-2, Cl.1-2, Vn.I=No.12 Mask の B dur の音楽を No.23 Romeo and Mercutio では As dur に移調されている(オーケストレーションも若干異なります)のですが、「仮面の主題」のアーティキュレーションが所々異なっています。また、No.12 にあっては3回登場する「仮面の主題」のアーティキュレーションが異なっています。両曲で全てのアーティキュレーションを統一させるべきなのか、それとも楽譜の通りとするのか、検討が必要となりましょう。

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Act 2 pp.37

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Act 2 pp.38

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Act 2 pp.39

参考資料:全曲版 第1幕 管弦楽総譜(pp.133 - 143)

http://petruccimusiclibrary.ca/files/imglnks/caimg/3/35/IMSLP35364-PMLP79478-Prokofiev_-_Romeo_and_Juliet,_Op._64_-_Act_I_(full_score).pdf